PROCESSORS・FACE SWAPPER MODEL・PIXEL BOOST・EXECUTION PROVIDERS…
各項目の意味と最適な設定値を、ひとつひとつ丁寧に解説します。
// 00. 全体マップ
WebUI左側パネルには処理の中核となる設定が集まっています。上から順に7つのセクションで構成されています。
// 01. PROCESSORS
PROCESSORSは、FaceFusionが実行するAI処理の「メニュー」です。チェックを入れたモジュールが上から順番に適用されます。複数選択で組み合わせ処理が可能です。
顔スワップのコア処理。これをONにしないと顔差し替えは行われません。必ずONにする基本モジュール。
スワップ後の顔をAIで高品質補正。肌・目・歯のリアリティが大幅向上。品質重視なら必ずセットで有効化。
フレーム全体を超解像化。動画・画像全体の解像度を上げたいときに使用。処理は重くなる。
顔の年齢を変換。若返り・老化表現が可能。プロモーション映像などの演出用途に。
スワップ後に不自然になった表情を補正・復元。自然な表情に整えるのに有効。
音声に合わせて口の動きを合成(リップシンク)。動画に音声ベースで口パクを適用。
目の大きさ・鼻など顔パーツを編集・調整するモジュール。細部の顔調整に使う上級者向け機能。
白黒動画・画像をAIで自動カラー化。古い映像をカラーに復元する用途に特化。
顔以外の体全体のスワップを試みる実験的モジュール。通常の顔スワップとは異なるアプローチ。
画像の背景をAIで自動除去して透明背景(アルファチャンネル)として出力。コンポジット用途に。
顔検出結果・ランドマークを可視化して表示。顔が正しく検出されているか確認するデバッグ用ツール。
まずは face_swapper + face_enhancer の2つだけをONにしてスタート。他のモジュールは目的に合わせて追加しましょう。多くONにするほど処理時間が増加します。
// 02. FACE SWAPPER MODEL
顔スワップの品質を決める最重要設定です。モデルによって品質・速度・特性が異なります。
高精度な顔スワップモデル。256px内部処理。バランスが良くほとんどのケースで良好な結果が出る。初心者〜中級者向けの第一選択肢。
hyperswap_1aの512px版。より高解像度で処理するため品質が上がる。VRAM 8GB以上なら積極的に使いたい。
1aより顔の特徴保持に優れたモデル。特定の顔をより忠実に再現したいとき、実写系コンテンツで差が出やすい。
FaceFusion初期からの定番モデル。128px処理。比較的軽量・高速だが品質はhyperswap系に劣る。低スペック環境での動作確認用に。
inswapper_128の半精度(FP16)版。メモリ使用量が少なく高速。VRAM不足時の代替候補。品質は標準版とほぼ同等。
SimSwapアーキテクチャ採用。アイデンティティ保持に特化した設計。特定の顔を強く反映させたい場合の選択肢。
迷ったら hyperswap_1a_256 または hyperswap_1a_512 から始めましょう。VRAM が 8GB 以上あるなら512版を試す価値があります。古い inswapper_128 は低スペック環境での動作確認以外ではあまり使わなくてOKです。
// 03. FACE SWAPPER PIXEL BOOST
PIXEL BOOSTは、顔スワップ処理の内部解像度を引き上げる設定です。モデルが顔を処理する際のピクセル数を増やし、出力品質を向上させます。
| 設定値 | 品質 | VRAM消費 | 処理速度 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| 128×128 | △ 低品質 | ◎ 最小 | ◎ 最速 | プレビュー・動作確認のみ |
| 256×256 | ○ 標準 | ○ 普通 | ○ 普通 | バランス型。デフォルト推奨値 |
| 512×512 | ◎ 高品質 | △ 多め | △ 遅め | VRAM 8GB以上で高品質出力したいとき |
| 1024×1024 | ◎◎ 最高品質 | ✕ 非常に多い | ✕ 低速 | VRAM 12GB以上・静止画の最終出力用 |
モデル名が hyperswap_1a_256 の場合、モデル自体が256px設計です。PIXEL BOOSTを512に上げると内部でアップサンプリング処理が入り品質向上が期待できますが、効果は頭打ちになることもあります。
// 04. FACE SWAPPER WEIGHT
FACE SWAPPER WEIGHTは、スワップ処理の強度(ブレンド率)を調整するスライダーです。ターゲット画像の元の顔とスワップ後の顔の「混ぜ具合」をコントロールします。
FaceFusionのデフォルト値は 0.5 ですが、これは「元の顔との中間状態」になります。通常の顔スワップでは必ず 1.0 に変更してください。品質が低く見える原因の多くがこの設定のままになっていることです。
// 05. EXECUTION PROVIDERS
EXECUTION PROVIDERSは、FaceFusionがどのハードウェアを使って計算するかを選択する設定です。使用環境に合ったProviderを選ぶことが重要です。
WindowsのDirectMLを使用。NVIDIA・AMD・Intel GPU問わず動作。Windows環境での標準的な選択肢。スクリーンショットではこれがON。
NVIDIA GPU専用。最高のパフォーマンスが得られる。NVIDIA製GPUを持っているなら最優先で選択。インストール時に --onnxruntime cuda が必要。
Apple Silicon(M1/M2/M3)専用。MacのNeuralEngineを活用して高速処理。Mac使用者はこれを選択。インストール時に --onnxruntime coreml が必要。
AMD GPU専用(Linux環境)。AMD製GPU(Radeonなど)をLinuxで使用する場合に選択。Windows AMD GPUはdirectmlを使用。
Intel製品向け。IntelのOpenVINOフレームワーク経由での処理。Intel CPUやiGPUでの高速化に使用。
CPU処理。GPUが使えない環境での最終手段。非常に低速(画像1枚に数分かかることも)。GPUが使える場合は使わない。
Windows + NVIDIA GPU → cuda(インストール時に指定が必要)
Windows + AMD / Intel GPU → directml(手軽に使える)
Mac M1/M2/M3 → coreml
Linux + NVIDIA GPU → cuda
GPU なし(どの環境も) → cpu(低速)
どちらもGPU処理ですが、cuda の方がNVIDIA GPUでは圧倒的に速いです。directml はNVIDIA GPUでも動作しますが cuda より20〜50%ほど遅くなる傾向があります。NVIDIA GPUがある場合は python install.py --onnxruntime cuda で再インストールして cuda に切り替えましょう。
// 06. EXECUTION THREAD COUNT
EXECUTION THREAD COUNTは、同時に処理するスレッドの数を指定します。増やすとGPU・CPUをより効率的に使えますが、メモリ消費も増えます。
| 値 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 1〜2 | メモリが少ない / 動作が不安定なとき | 処理は遅くなるが安定しやすい |
| 4〜8 | 一般的な環境(VRAM 8GB前後) | バランスが良い推奨範囲 |
| 8〜16 | VRAM 12GB以上の高スペック環境 | OOMエラーが出る場合は下げる |
// 07. DOWNLOAD PROVIDERS
DOWNLOAD PROVIDERSは、AIモデルファイルをどこからダウンロードするかを指定します。通常は両方ONにしておけば自動的に使えるものからダウンロードされます。
GitHubのリリースページからモデルをダウンロード。FaceFusion公式リポジトリに紐づいたモデル配布元。常にON推奨。
Hugging Face(AIモデルの最大プラットフォーム)からダウンロード。GitHubにない一部モデルはこちらから取得。常にON推奨。
どちらかのサービスがメンテナンス中・繋がりにくい場合は片方をOFFにして再試行すると解決することがあります。企業ネットワーク等でgithub.comがブロックされている場合はhuggingfaceのみをONにしてみましょう。
// まとめ
各設定の推奨値をまとめました。迷ったときはこの表を参考にしてください。
| 設定項目 | 初心者おすすめ | 高品質重視 | 速度重視 |
|---|---|---|---|
| PROCESSORS | face_swapper + face_enhancer | + frame_enhancer | face_swapper のみ |
| FACE SWAPPER MODEL | hyperswap_1a_256 | hyperswap_1a_512 / 1b | inswapper_128_fp16 |
| PIXEL BOOST | 256×256 | 512×512 | 128×128 |
| FACE SWAPPER WEIGHT | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
| EXECUTION PROVIDERS | cuda(NVIDIA) / directml(Win) | cuda | cuda |
| THREAD COUNT | 4〜8 | 8〜16 | 4 |
| DOWNLOAD PROVIDERS | 両方ON | 両方ON | 両方ON |